泉鏡花と鈴木則文

背伸びをして衣笠禎ノ助監督の「歌行燈」をみた。

格調といふものを感じさせられるいい映画であった。原作者の泉鏡花について軽く調べてみると、泉鏡花の作品を読むことが出来るのは日本人の特権なる記述に行き当たった。

さすれば、読まねばなりますまいと書店に赴き新潮文庫刊「歌行燈・高野聖」を買い求めたる次第なれど、書かれたる日本語難解にして悪戦苦闘するなり。

おいこら、ワシは日本人やぞ。日本語が読めへんちゅうのはどういうこっちゃ。日本人の特権はどこいったんや、ワレ。

もしかするとワシは頭の不自由な人で、日本人の特権は鈴木則文の映画でしか味わえんのかのう。太宰治で笑わせてもろたんは間違いのう日本人の特権ですけぇ。