流行り病

お兄さん「よい子のための文化講座の時間がやってまいりました。助手の東映君準備はいいかな?」

東映君「東映専門学校中退の東映です。御一統さん、よろしゅうおたの申します。」

お兄さん「今日は捕鯨問題について考えてみましょう。」

東映君「勝新太郎さん主演の鯨神は大映制作でっけど?」

お兄さん「それは置いといて、日本の捕鯨に反対する国が世界にはあります。」

東映君「どこのガキでっか?」

お兄さん「主にオーストラリア辺りですね。」

東映君「あれら、羊だけじゃ飽き足りず鯨やイルカとFxxkしよるんですか?コンニャクにしとけばいいもんを。」

お兄さん「冒頭からとばしますね。でもね東映君、君のところはスグに脚本が破綻することが多すぎますよ。話は最後までキレイにまとめて下さいね。」

東映君 「・・・。ところで捕鯨に反対する理由は何でっか?」

お兄さん「単なる流行りです。」

東映君「アホなガキは簡単に乗せられまんなぁ。誰のシノギでっか?」

お兄さん「よく知りませんし、どうでもいいです。馬鹿の相手してる程暇じゃありません。」

東映君「尺が余ってまんがな。流行りについて、も少し。」

お兄さん「人口が増えると食料問題が発生します。鯨は人に食われる運命です。流行りに乗っかっている連中は、その頃にはとっくに別の流行りに乗っかってます。以上。」

東映君「今が問題ちゃうんですか?なめたガキのトコに殴り込んでみたらどないでっか?」

お兄さん(出た。東映にありがちなド定番の殴り込み。脚本家不足は深刻だ。)

お兄さん 「東映君、現実は映画とは違いますよ。それに人種差別自体がなくらない限り、この問題はなくならない気がしますけどねぇ。」

東映君「その人種差別はどっから来よったんですか?」

お兄さん「人間の本能です。」

東映君「じゃ、仕方ないですわな。」

お兄さん「聖書には鱗のない魚を食べてはいけないと記載されているようです。」

東映君「鯨は哺乳類でっしゃろ?魚類やおまへんやろ?」

お兄さん「島流しにあった罪人の子孫に一般教養を求めても無駄です。」

東映君「何か話がグダグダでんなぁ。」

お兄さん「あなたにそれを言う資格があるか、胸に手を当ててよく考えて下さい。」

東映君「・・・」

お兄さん「今日はこれまでにしましょう。また、いつか。ご機嫌よう。」

東映君「・・・」

お兄さん「ちゃんと挨拶しましょうね。」

東映君「・・・。ご機嫌よう。」

泉鏡花と鈴木則文

背伸びをして衣笠禎ノ助監督の「歌行燈」をみた。

格調といふものを感じさせられるいい映画であった。原作者の泉鏡花について軽く調べてみると、泉鏡花の作品を読むことが出来るのは日本人の特権なる記述に行き当たった。

さすれば、読まねばなりますまいと書店に赴き新潮文庫刊「歌行燈・高野聖」を買い求めたる次第なれど、書かれたる日本語難解にして悪戦苦闘するなり。

おいこら、ワシは日本人やぞ。日本語が読めへんちゅうのはどういうこっちゃ。日本人の特権はどこいったんや、ワレ。

もしかするとワシは頭の不自由な人で、日本人の特権は鈴木則文の映画でしか味わえんのかのう。太宰治で笑わせてもろたんは間違いのう日本人の特権ですけぇ。

押し売りお断り

人が歩いてる時に声をかけてくるバカがいる。

もっと酷いのになるとワザワザ家まで来やがる。

有難い話を聞かせたいそうな。

お断りだ。

俺にはちっとも有難くない。

般若心経も聖書もコーランも読んでないが、これだけは間違いなく言える。

お前の宗教がどんなもんかは知らないが、お前はクソだ。

お前の傲慢さ、お前の無知を徹底的に軽蔑してやる。

人に物を教えてやろうという態度が気にくわねぇ。

人を見下しているその性根が放つ悪臭に俺は耐えられん。

祈ってる暇があったら、ゴミ拾いでもしてな。

宝の山

黒澤明監督の「七人の侍」を見たのは四十歳を過ぎてからだった。

溝口健二も小津安二郎も成瀬巳喜男もまだ知らないも同然の状態。

こんなにいいものが溢れかえっていたとは不覚。

この国に生まれ育った幸せを痛感する。

若山先生の極道シリーズも見ずに死んでたまるかと思う今日この頃。

宝の山の入り口で心は躍る。